――――――――【無題】Love song―――――――――


ふと目が覚めた。

枕の横の携帯に手を伸ばせば、時刻は午前3時。
窓からはまだ薄暗い空が見える。

一度目が覚めると寝付きにくいもんだ



そぉっと、そぉっと。
狭いベッドの上、隣で小さく寝息をたてる神を起こさないように
体を起こせば夜明けの静けさに身震いを覚えた。

いつもは あんなにたくさんの音と 
たくさんの景色が入り混じっているというのに
今は 寂しいくらいの無音と 暗闇に支配されている。


不意に、音楽が恋しくなって。
愛用のヘッドホンをつけ、音漏れしない程度の音を流した。

前はあんなに眠るのが怖かった
目を閉じると鮮明に思い出す記憶。
暗くなりがちの雰囲気を変えてくれたのは
いつも仕事中に流している音楽。
不思議と心が安らいだ。

それと

守るべきモノが できたから。



例え暗くても手元が見えるなら十分だ。

煙草に火を灯せば、無防備に眠る神がもぞもぞと動いた。


「…けぇ、起きてんの…?」

「悪ぃ…起こしちまったか」

「ん。良いよ、別に」


ヘッドフォンを外すと微かに漏れる音楽と
眠たそうに目を擦る神の声が混ざる。


「…何してたの?」

「寝顔見てた」

「…バカ」

薄暗いため、神がどんな表情をしているかわからなかったけれど。


抱き寄せたら 抱き返してくれたから。
俺はまだ頑張れる。
守るべきモノのために。
腕の中のぬくもりを
まだ失いたくは無いから。


片隅に置かれたヘッドホンから流れるのは

静かな 愛のメロディ




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終わりが甘くなりました。
砂糖吐くくらいの甘々が好きです。

             8.7 七弦
 
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